第27章 お神輿を担ぐ

黒崎逸臣の姿がエレベーターホールの向こうへ消えた瞬間、デザイン部は一気に沸き返った。

デザイナーたちは、またたく間に水野菜々美のまわりへ集まっていく。

「霧里様、ひとつ見ていただきたい図案があるんです。ご指導いただけませんか?」

「霧里様と同じ職場で働けるなんて、本当にうれしいです」

水野菜々美は本革のチェアに腰掛けたまま、そんな熱視線を一身に浴びる心地よさに酔っていた。

できたばかりのネイルを、指先でつまらなそうに弄ぶ。

「もちろん、いいわよ」

甘ったるい声。そこに滲むのは、隠しようもない優越感だった。

「これから同じ職場なんだもの、お互いに学び合わなきゃね。でも今はまず、...

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