第69章 また濡れ衣を着せられる

黒崎逸臣の車がカフェの前で急ブレーキをかけた。タイヤがきしむ音が響くより早く、水野誠が飛び出して店内へ駆け込む。

店の中は、テーブルと椅子が端へ寄せられ、ぽっかりと空間が作られていた。数人の店員が床にしゃがみ込み、その中心で、水野菜々美が横たわっている。顔色は血の気が引き、まるで白い紙みたいだった。意識がない。

「菜々美!」

水野誠は膝をつき、菜々美の上半身を抱き起こす。手が震え、頬をぺちぺちと叩く。

「菜々美、起きろ! 兄ちゃんの声、聞こえるか? 菜々美!」

遅れて入ってきた黒崎逸臣もしゃがみ込み、鼻先に指を当てた。呼吸はある。ただ、気を失っているだけだ。

「救急車は呼んだのか...

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