第72章 瀬戸家の家来が縁談を申し入れる

夏目霧子は車のそばに腰を下ろし、林田圓子から送られてきた監視カメラの映像をもう一度、最初から見返した。

画面の中では、田村麗子が階段の踊り場にしゃがみ込み、足だけをほんの少し通路へ突き出している。

そこへ誰かが前へ進み、つま先がその足先に触れた瞬間――体がぐらりと傾き、今にも転げ落ちそうにふらついた。

夏目霧子は一時停止を押し、眉間に深い皺を刻む。

映像をクラウドに保存し、スマホの画面を落とした。

これからは、どこでも気を抜けない。水野菜々美は、もう一線を越えている。こんな真似まで平気でやるなんて――。

夜、家に戻ると、黒崎昌仁からメッセージが届いていた。

「霧子、明日戻ってき...

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