第86章 化粧室で水野菜々美と対峙

第2ゲームが半分ほど進んだところで、裏庭の扉がきい、と押し開けられた。

水野菜々美が小花柄のワンピースに身を包み、長い髪を下ろしたまま、果物の入った袋を提げて立っている。にこりと笑って、コートの中の面々に手を振った。

「遅くなっちゃった。もう始めてたんだね」

サーブを打とうとしていた黒崎逸臣の手が止まる。

ゆっくり振り返った彼の表情は、少しずつ冷えていった。

「誰が呼んだ」

水野菜々美の笑みが、一瞬だけ引きつる。

すぐさま黒崎雅美がコート脇から小走りで寄ってきて、当然みたいな顔で菜々美の手から果物袋を受け取った。

「私が呼んだの。だって4人だけじゃつまんないじゃん。1人増えた...

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