第104章 リリアンの録音

ナタリー視点

私はひらりと手を振った。

「気持ち悪いもの見せないで。さっき食べたばかりで、吐きたくないの」

「落ち着けって。お前が想像してる類のやつじゃない」グラントがにやにや笑う。「気持ち悪いって言うならさ、今夜のレヴィも相当だった。リリアンがちょっと甘えようとしただけで、ほぼ反射で拒否。あれじゃ銃突きつけられてベッドに上がらされてるみたいだったぞ。前からあんな大袈裟だったっけ? いつからあんな演技派になったんだよ」

――前から。

レヴィは、前はどうだった?

頭の中が、すとんと空っぽになる。必死に思い出そうとしても、もう彼の輪郭が掴めない。

数年前の、清潔感があって、切れ味の...

ログインして続きを読む