第116章 甘い気遣い

ナタリー視点

かっと顔が熱くなった。

私が幹をしならせた? 冗談じゃない。登る前からこの木、最初から曲がってたんだから!

頬がひりひりするのをごまかしながら、私は慎重に体を下へずらす。登るときはアドレナリンで勢いだけだったのに、いざ降りる段になって足元を見た瞬間、自分がどれだけ高いところまで来ていたのか思い知らされた。

私はエルヴィンに手を伸ばした。彼はひょいと掴んで、まるで何でもないみたいに私を地面へ引き下ろす。

「すごいな。まさか木登りまでできるとは」

「言わないで」

「履歴書に書けるぞ」

肩が小刻みに震えたかと思うと、堪えきれずに笑い出す。

ほら、やっぱり! 絶対笑う...

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