第19章 本当の私があるべき姿

革張りのシートに身体を投げ出した瞬間、全身を締め上げていた緊張がほどけて――意識が遠のきかけた。

「……いい根性だな」

隣から、低い声。冷笑がわずかに混じる。

エルヴィンはすでにノートパソコンを閉じていて、底の読めない深い瞳で私を見ていた。

その視線だけで頬が熱くなる。私は慌てて目を逸らす。

エルヴィンのプライベートジェットは、想像のさらに上をいっていた。クリーム色の本革シート、柔らかな間接照明。

機内というより、豪奢なマンションの一室――そんな空気。

離陸の瞬間、ふわりと胃が持ち上がるような短い無重力。私は反射的に肘掛けを掴んだ。

舷窓の向こうに、苛立ちを隠しもしないレヴィ...

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