第24章 ヴィヴィアンは演技している

ナタリー視点

危うく吹き出すところだった。――なるほど。彼女、見た目ほど酔ってなんかいない。

ヨットから車内、そして今に至るまで。あの一連の「悲劇の女」ぶりは、全部エルヴィンのために用意された舞台だ。

けれど、最後まで席に残った観客は私ひとり――皮肉な話。

私はカードキーで部屋に入り、あえてドアを開け放ったままにする。ヴィヴィアンが続いて入ってきた。虚ろな目でスイート全体をなぞるように見回しながら。

「放っておいて!!」

掠れた声。やけに通る。芝居がかった悲痛さが、耳にまとわりつく。

「もちろん」私は淡々と言った。「寝室はあっち。休んで」

ところが彼女はベッドには向かわず、バ...

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