第61章 決着がつく

ナタリー視点

その事実は、リリアンがこの一時間にしでかしたどんなことよりも、私の神経をずたずたにした。

この人は、私に何ひとつ借りなんてない。

それなのに彼は私の上に飛び込み、背中を刃物で裂かれても立ち上がり、悲鳴を上げる狂った女を押さえつけた。まるで傷なんて、ちょっとした厄介事にすぎないみたいに。

「エルヴィン……」

声が震える。

「背中、血が……!」

「分かってる」

彼は振り返らない。

廊下のほうが急に騒がしくなった。駆ける足音、怒鳴り声、そしてドアが乱暴に開かれる音。

最初に飛び込んできたのはレヴィだった。警官たちとグラントが続き、全員が入口で足を止める。

室内に...

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