第63章 離婚

エルヴィン視点

朝6時、マレーにペントハウスから新品のシャツを持って来させた。

病院の患者服なんて論外だ。傷口が滲もうが何だろうが、あんな格好でナタリーに会うくらいなら流血のほうがマシだった。

8時。ベッドの背を起こし、ノートPCを開いて溜まりに溜まった業務メールを捌く。体を少し動かすたび、背中の縫合部がじわりと痛んだが、無視した。

そのあと見舞いは途切れず続いた。役員、取引先、関係者――。

だが、その中にナタリーはいない。

昼前になって、ようやく人が引いた。

俺はノートPCの画面を眺めたまま、たいして整理する必要もない書類を指先で揃えながら訊いた。

「彼女は?」

名前は出...

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