第65章 包帯を交換する

ナタリー視点

「ごめんなさい。私が考えすぎました。もう、こんなふうには思いません」

唾を飲み込む。

「読書の邪魔をしてしまって、本当にすみません。すぐ出ます」

踵を返して扉へ向かった。なのに脚が言うことをきかない。絨毯の上でよろけ、危うくドア枠に肩をぶつけそうになりながら、どうにか部屋を出る。

廊下を抜けてリビングに下りると、マレーがいた。私の顔を見た途端、笑みがすっと消える。

「早かったね。大丈夫かい?」

「デイヴィスさん、読書中でしたから」

声だけは平静に整えたつもりだった。けれど笑顔は――きっと引きつっている。

「邪魔したくなくて。ごめんなさい、私、先に戻ります」

...

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