第76章 まだ何か脱ぐの?

エルヴィンのことがあってから、残りの道中はずっと窓の外だけを眺めて過ごすと決めた。

エルヴィンは何も言わない。マレーがラジオから流れる柔らかな曲に合わせて小さく鼻歌をつむぐ。山並みが途切れなく続き、私たちの間に落ちる会話の隙間を、ぜんぶ埋めていった。

車内は静まり返ったまま――リゾートのゲートをくぐる、その瞬間まで。

坂道はくねくねと上へ伸び、道の両脇にはレトロな銅製の街灯が等間隔に並んでいる。

本館の前で車が止まると、入口にはスタッフが一列に整列して待っていた。

すぐに二組が近づいてくる。プロジェクトマネージャーがエルヴィンへ真っ先に手を差し出した。

「デイヴィスさん、ようこそ...

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