第79章 エルヴィンを誘惑する

ナタリー視点

ひとまず彼の性癖がどうこうという話は置いておくとして――この罠、あまりにも稚拙で、あまりにも露骨だ。エルヴィンがまだ見抜いていないなんて、信じがたい。

「ヘイリー。こちらがデイヴィスさんよ」

少女は胸の前で両手をきゅっと組み、視線を床に落としたまま、囁くような声で名乗った。

「デイヴィスさん……ヘイリー・ムニョスです。よろしくお願いします」

エルヴィンは、極薄い微笑だけを返した。言葉はない。

「ヘイリー、好きに座りな」

ウォースが、いかにも何でもないことのように言う。

「……はい」

ヘイリーはおずおずと顔を上げ、部屋を見回した。

そして――ウォースの四人の「...

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