第82章 許可なくあなたにキスをした

ナタリー視点

私は抵抗するのをやめた。視線をいったん横へ流し、それからまた彼へ戻す。

「状況が違うんです。あなたは薬を盛られた。落ち着くには冷たさが必要。でも……今のあなた、たぶん冷たいって感覚そのものが鈍ってる」

「もちろん、本当に無理なら外に出てもいいです」

「私、あなたのためにやってるんですよ、デイヴィスさん。まさか理不尽に八つ当たりなんてしませんよね? ね?」

エルヴィンは何も言わない。

視線だけが、ずっと私に刺さっている。その目つきのせいで、うなじにまで鳥肌が立った。

さっきも寒かったのに、今はもっと寒い。

脚がつって、耐えきれず体勢を変える。横座りから、膝を開いた...

ログインして続きを読む