第90章 俺は、お前が自慢できない社長か?

ナタリー視点

彼は言い終えるなり、机の上のスマホを手に取って、まっすぐ外へ出ていった。私は慌ててその背を追う。

レセプション――しかも急な招待会。こんな直前の段取りに応じる人間なんて、よほどの理由があるに決まっている。

主催者は誰?

廊下の向こうからフレッチャーが歩いてきた。「社長」

「今夜は他の予定は入れない。帰れ」

フレッチャーが踵を返しかけた、その瞬間。私がオフィスへ駆け込み、倍の勢いで飛び出してくるのが見えたらしい。

「どうした」彼が小声で訊く。

「私、社長に同行しないと。招待会」

「今日のスケジュールにはない」

「いま追加されたの」

視線がぶつかり合う。そこに...

ログインして続きを読む