第93章 真心には真心で返す

ナタリー視点

彼は自分のスマホを取り出し、ロックを解除すると、そのまま私に差し出した。

私は何も言わずに受け取り、トラッカーの同期を始める。

隣のエヴァは両手で口を押さえ、ライブ会場でしか聞かないような、くぐもった悲鳴を上げた。肩が小刻みに震えている。

コールは何度もルームミラーへ視線を走らせ、隠しきれない笑みを浮かべていた。

設定を終え、私はスマホを両手でエルヴィンへ返す。契約書を返却するみたいに、きっちりと。

彼は受け取りながら言った。

「そこまで誠実なら、何かあったら俺に言え。真心には真心で返す、だろ?」

「……そう」

私の二つ目の選択肢って何? その顔を拒めっていう...

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