第98章 リリアンは人を殺したことがある

ナタリー視点

彼女の言い方が、私の好奇心を一気に煽った。

「ねえ、お願い。今すぐ教えて!」

「ダメ。うちまで、あと2ブロックあるから」

……結局、きっちり10分も焦らされた。さすがにイラッとする。

アパートに入るなり、グラントはバッグをキッチンのカウンターへ放り投げ、スマホを取り出した。何かのアプリを開いて、そのまま私に差し出してくる。

仮面をかぶったような平静さは、もうどこにもない。そこにあるのは、隠しようのない高揚だけ。

画面には音声のインターフェース。細い波形が、リアルタイムでぴょんぴょん跳ねている。

……理解した私は、顔を上げた。

「ペンダントに盗聴器、仕込んだのね...

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