第11章 女の子への贈り物

オフィスで、藤堂譲は佐藤補佐と話していた。

「頼んでいた件、どうなった?」

「藤堂社長、それが少々難航しておりまして。ホテルの監視カメラの映像が一部欠損しており、社長の部屋に入った人物を特定できませんでした」

「欠けているのは、ちょうどその女が俺の部屋に入った時間帯か?」

「はい」

「呵、ますます面白くなってきたな」

藤堂譲の口調に滲む不機嫌さを感じ取り、佐藤補佐の額に冷や汗が浮かぶ。彼は慌てて説明した。

「ですが、例のネックレスのブランド側には既に連絡済みです。協力を得られることになりましたので、すぐに人物を特定できるかと」

「うむ。いずれにせよ、あの女の正体は必ず突き止めろ」

人の弱みに...

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