第123章 浮気相手になれってことか

藤堂譲は一瞬、呆気にとられた。「祖母上、綾瀬先生が既婚者だということをお忘れですか」

「結婚しているから何だと言うんだい。別れることだってできるだろう。お前ほど力のある男が、たかが女一人も手に入れられないのかい?」

「彼女は……俺のことが嫌いだと言っていた」昨夜、綾瀬悠希に拒絶された記憶が蘇り、藤堂譲の声には寂寥感が滲んだ。

「嫌いなら嫌いで構わないだろう。体が手に入ればそれでいいじゃないか。……ふん、もういい。自分から動こうともしないなら、一生孤独に朽ちていくがいいさ」

藤堂家の大奥様は二、三歩歩き出してから、くるりと踵を返した。視線はテーブルの上のネックレスに向けられている。「そう...

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