第154章 彼女はベッド、君はソファ

藤堂譲は綾瀬悠希の傍らにしゃがみ込むと、手を伸ばして彼女のふくらはぎを揉みほぐし始めた。

 綾瀬悠希はびくりと足をすくめる。

「な、何するんですか?」

「マッサージだ。血流を良くすれば、回復も早まる」

「っ……痛い……」

「我慢しろ」

 藤堂譲は一心不乱に綾瀬悠希のふくらはぎをマッサージし続けた。痛みに顔をくしゃくしゃにする彼女の様子がおかしくて、つい口元が緩んでしまう。

 彼にとって、人にマッサージをするなど初めての経験だ。この手つきが正しいのかどうかすら分からない。

 その時、ノックの音と共にメイドの声が響いた。

「旦那様、コーヒーが入りました」

 起床後に一杯のコーヒーを飲...

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