第167章 なぜお前を哀れむ必要がある?

「言え」

「中で話さない? 本当に大事なことなの」

 綾瀬悠希は顔を曇らせた。

「私の部屋には二度と入らないって約束したはずだけど。忘れたの?」

「覚えてる……だったら、お姉さんが私の部屋に来てよ。これ、一言二言じゃ済まない話だから」

「じゃあ、話さなくていいわ」

 綾瀬悠希は無表情に彼女を一瞥し、そのままドアを閉めようとする。

「待って!」

 桜井恵那が慌てて手でドアを押さえる。

「今夜の件に関係あるのよ。本当に聞きたくないの?」

 その話題には、綾瀬悠希も少なからず興味があった。藤堂譲がいずれ調べ上げることは分かっているが、桜井恵那がどう切り出してくるのか聞いてみたい気もする。...

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