第194章 先にベッドで待ってる

高熱のせいか、藤堂若葉の声は弱々しく、その力のない様子は見ているだけで胸が締め付けられるほどだった。

 綾瀬悠希は一瞬、言葉に詰まった。そもそも、なぜ藤堂若葉が自分の結婚の話を知っているのかが分からない。

 藤堂若葉を悲しませたくなくて、子供の前ではその話題を避けてきたはずだった。

「この前、お袋たちがグループ通話で話しているのを、こいつが聞いてしまったんだ」

 藤堂譲が横から口を挟む。

 なるほど、と綾瀬悠希は納得した。彼女は少し考え、努めて優しい声で藤堂若葉に語りかけた。

「若葉ちゃん、この前約束したでしょう? 私はずっと若葉ちゃんのそばにいるって。だから、綾瀬先生がママじゃな...

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