第23章 ベッドまで世話をした

その声を聞き、凌乐悠は深く考える間もなくドアを押し開けて中へ入った。

藤堂譲が床に倒れていた。上半身は裸で、苦悶に顔を歪ませている。

「藤堂さん、大丈夫ですか」

凌乐悠は駆け寄り、彼のそばにしゃがみこんで様子を窺った。体は震え、全身びっしょりと汗をかいている。顔色は死の病に冒された患者のように真っ青だ。

手を伸ばして額に触れると、氷のように冷たい。凌乐悠は慌てて手を引っ込めた。

「しっかりしてください」

返事がないのを見て、凌乐悠は焦りで汗が噴き出してくる。

「もう少し頑張ってください。今、救急車を呼びますから」

電話をかけようとした手は、藤堂譲に掴まれた。凌乐悠は...

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