第45章 深く交流する

桜井恵那は元より気が強く、彼女が口を開くと、紅ちゃんはすぐに口を噤んで何も言えなくなり、運転手も慌てて車を発進させた。

ほどなくして車は桜井家に戻り、桜井恵那は車から飛び降りると、スカートの裾を持ち上げて家の中へと駆け込んだ。

リビングにいた桜井翔平と白鳥秀美は、突然駆け込んできた人影に驚いたが、それが桜井恵那だと分かると、慌てて駆け寄り彼女を支えた。

「顔ちゃん、どうしたの。どうしてそんなにみすぼらしい格好に?」

出かけるときはあんなに綺麗だったのに、今の彼女は服に赤ワインとケーキがべったりと付き、化粧も崩れ、アイラインが滲んで顔に二本の黒い線を描いていた。

桜井恵那は悔し...

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