第73章 兄さん、そこらで大小便しないで

凌楽悠は彼を睨みつけた。「少し静かにして。そんな大声で話すことじゃないでしょ? それとも、もう十分に生きたとでも思ってるの?」

「あんたすごいな、どうやったんだ?」

「信じられないかもしれないけど、部屋を間違えたの。それで……」

ダニエルは思わず彼女に親指を立てた。「悠々ちゃん、実はとっくの昔からただ者じゃないって気づいてたよ。将来出世しても、この舎弟のことを忘れないでくれよな」

「何が出世よ。このこと、藤堂譲はまだ知らないの。知られたら、きっと落とし前をつけさせに来るわ」

「なんてこった」ダニエルは驚きを鎮めるためにもう一杯酒を呷った。「それじゃ南都市にはいられないぞ。明日、一緒に海外に行...

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