第9章 誰が正しくて誰が間違っているのか?

商序からの連絡はなく、楠本和也からも授業は不要との通知はなかったため、凌楽悠はやはり商家へ授業に向かうしかなかった。

今日も三十分ほど早く到着した。江沁という人間はあまりに度量が狭い。昨日の件で彼女が相当不機嫌になっていることは想像に難くない。凌楽悠は、彼女が商若霊に報復するのではないかと懸念していた。

案の定、部屋の入口に着いた途端、江沁が商若霊を叱りつける声が聞こえてきた。

「あなたのお父様はあんなに優秀なのに、どうしてあなたはこんなに馬鹿なの? 十引く三なんて簡単な問題もできないなんて、まさかお母様の知能を受け継いじゃったんじゃない?」

「商社長がどうしてあなたのお母様みたい...

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