第95章 向こうから来たカモ

「コホン」

 咳払いをひとつして、綾瀬悠希はもっともらしい顔で切り出した。

「藤堂さん、ご存知でしょう? 『Luna』の製品がいかに手に入りにくいか。それに、市場には数え切れないほどの模倣品が溢れかえっています。女性への贈り物として、適当な既製品を選ぶのは……あなたの品格に関わりますよ」

「……では、君の意見を聞こう。何を贈ればいい?」

「オーダーメイドはいかがですか!」

「オーダーメイド? 『Luna』にそのようなサービスがあるとは初耳だが」

 綾瀬悠希はニヤリと笑みを浮かべる。

「以前はありませんでした。ですが、現在は準備段階に入っています。もしご希望でしたら、あなたが『Lu...

ログインして続きを読む