第107章

新谷音鈴は首をかしげた。

「デザインやりたい人なら、みんなSHに来たがるでしょ。ここなら学べること、たくさんあるし」

「でも、あなたの家のことを考えたら……本気でデザインを学びたいなら、もっとあなたに合う場所がある。もう少しペースのゆるい会社とか、デザイン学校だっていい。今のあなたに、SHは向いてないよ」

ここしばらく一緒に過ごすうち、末永言葉は彼女に、どうにも言葉にしづらい違和感を感じ続けていた。

新谷音鈴は「デザインなんて全然わからない」という顔をしている。けれど、細部の癖は隠しきれない。

――業界経験があるか、あるいは体系的に学んだことがある。

それなのに彼女は、門外漢のコ...

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