第113章

「病気かよ」

末永言葉は彼を白い目で見て、取り合う気にもなれなかった。

しつこく食い下がる男に理屈を説いたところで、腹が立つだけだ。

配車アプリを開き、選べる車種サービスを片っ端からチェックする。だが雨がひどすぎて、近くに待機車両はなく、注文に応じる車も現れない。

言葉はキャンセルもせず、スマホをテーブルに置いた。

いい。待てばいい。雨が止むまで。車が捕まるまで。

――深沢承弦の車になんて、絶対に乗らない。

けれど今日の雨は、まるで彼女に喧嘩を売っているみたいに、弱まる気配すらなかった。

しかも深沢承弦は帰ろうとしない。居座られたところで、言葉にできることはない。

「ずっと...

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