第116章

また深沢天佑か。

けれど今の末永言葉には、離婚だ何だと彼と争う余裕なんてなかった。

「……どうして入院なんですか」

いま知りたいのは、それだけ。

昨日、彼女がカフェを出たあと――いったい何が起きた?

本当に、自分のせいで事故になったの?

末永言葉の顔色がすっと沈み、瞳の奥を痛みがかすめる。

だが深沢天佑は答えず、そのまま通話を切った。

――そうだろう。

天佑は、彼女と深沢承弦が二度と関わらないことを望んでいる。わざわざ承弦の状況を教えるはずがない。

「言葉? 大丈夫か?」

課長が異変に気づき、表情を引き締める。

「あっちは……何て?」

さっきの言葉尻だけでも分かる。...

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