第14章 海外に行かないわけにはいかないのか

胸の奥を針で突かれたような痛みが走り、ちくちくと細かな疼きが広がった。

末永言葉はわずかに口元を引いたが、すぐに表情を鎮めた。ただ、睫毛だけがかすかに震える。

「深沢承弦」

声はひどく平坦だった。

「私宛の荷物が一つ、あなたの家に届いてるの。見てない?」

電話の向こうが一瞬、しんと静まる。

「荷物? 何のだ」

深沢承弦の声は、どこか張っていた。

末永言葉は目を伏せ、床に落ちた陽だまりを見つめる。

「留学の書類」

そう言ってから、もう一度淡々と続けた。

「先生が送ってくれたもの」

また沈黙。

「見てない」

長い間を置いて、ようやく深沢承弦が口を開く。

「たぶん家政婦...

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