第15章 ブラックリストに入れる

末永言葉は彼を見つめ、胸の奥に言いようのない複雑さを抱えた。

彼女は向かいの席に腰を下ろし、わずかに距離を取る。

「さっき電話で……」片桐景真はやわらかな眼差しで彼女を見た。「そっち、少し騒がしかったよな。何かあったのか?」

「別に」末永言葉の声は淡々としていた。「依頼主って、どこ?」

片桐景真はそのよそよそしい態度を見つめ、目の奥にかすかな苦笑をよぎらせる。

脇に置いていたファイルを取り上げ、彼女の前へ静かに差し出した。

「これが依頼主だ」

末永言葉はファイルを開き――そこで手を止めた。

中身はウェディングドレスのデザイン企画書だった。ラフのページには、まだほんの数本、線が...

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