第41章

末永言葉はタブレットと紙の原稿をいっしょに抱えて戻ってくると、そのまま男の手に渡した。

「前から、あなたに見せたかったの」

――あのときは不測の事態が起きて……結局、説明する機会さえ失ってしまった。

婚礼衣装の件は、気づけばここまで引き延ばされていた。

深沢承弦は受け取り、視線をすぐに線へ滑らせる。要所のディテールでふっと止まり、最後に襟元の独特な意匠へ落ちた。

深い眼差しの奥で、何かが静かに渦を巻く。

――これは、彼のために彼女が描いたものだ。

深沢承弦は顔を上げ、言葉と視線を合わせる。口元をわずかに持ち上げた。

「好きだ。すごく」

末永言葉はぷいと顔をそむける。彼の見え...

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