第45章 思いやり合う

3日後、二人は入院棟を訪れ、そのまま末永母の病室へ向かった。

病室の扉は開いていた。末永母はすでに荷物をまとめ終えていて、深みのあるえんじ色の上着を羽織っている。入院していたころに比べると見違えるほど顔色がよく、頬には血の気が戻り、目元にも生気が宿っていた。

末永父は二人の姿を見ると、相変わらず愛想のない顔をしたままだったが、その視線が深沢承弦の上に留まる時間は、いつもよりわずかに短かった。

「お母さん」

末永言葉は歩み寄ってその手を握った。

「顔色、すごくよくなったね」

末永母は笑って娘の手をぽんぽんと叩き、その視線を言葉の肩越しに深沢承弦へ向けた。

「退院なんて、こんなささ...

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