第51章 失踪したのか、それともわざと身を隠したのか

深沢承弦は眉間の皺をいっそう深くした。

「駄目だ。お前は残れ」

低く沈んだ声。そこに、交渉の余地はない。

「深沢承弦、私はあなたの妻よ」

末永言葉は顔を上げ、まっすぐに見据えた。

「あなたのことは私のこと。私も一緒に行く。……何か、手がかりくらいは考えられるかもしれない」

そのとき、階段口から深沢天佑が歩いてきて、ちょうどその言葉を聞きつけたのか、鼻で笑った。

「お前が? 邪魔しないだけでも上出来だろ」

言葉の指先が、きゅっと固くなる。

深沢家に嫁いだ日から、こういう言い方は途切れたことがなかった。

深沢天佑の目はいつだって「査定」だ。不満だ。――『お前じゃ、うちの息子に...

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