第53章

深沢承弦は、花で埋め尽くされた式壇へと視線を向けた。

三年前のことを思い出す。

彼女が嫁いできたばかりの頃、自分は病室のベッドに横たわっていた。

彼女はその傍らに座り、ただ静かに寄り添っていた。そうして三年。

あの頃も、彼女はずっと一人だった。

たった一人で、あらゆる疑いの目に晒され。

たった一人で、胸の内の悔しさを呑み込み。

たった一人で、目を覚ますかどうかも分からない自分を守り続けていた。

深沢承弦は一人、式壇へ向かう。

本来なら二人で立つはずの、その場所へ。

ざわめいていた招待客たちが静まり返り、無数の視線が彼に集まった。

「三年前、俺は交通事故に遭い、ベッドの上...

ログインして続きを読む