第73章

新しい病室に落ち着いてから、末永言葉はベッド脇の椅子に腰を下ろし、末永父に向かって長いこと話し続けた。

父はまだ目を覚まさない。返事が返ってくるはずもないのに、言葉はひとりで言葉を重ねる。まるで――この三年、父と娘として交わせなかった分を、一息に埋めようとするみたいに。

新谷言が手配してくれた付き添いの人は、薬を取りに行っているところだった。さっき母と話して知ったのだが、その付き添いの堀井おばさんは、新谷言が産後のケアを受けていた頃に身の回りを見てくれていた人らしい。以来ずっと新谷家に残り、普段は本家で花や庭の手入れなどを任されているという。

堀井おばさんがいるなら、言葉も安心できた。...

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