第87章

末永言葉は薬を飲み始めてから、体の調子が目に見えて良くなった。

医師からは「この薬を飲み切ったら、もう一度診せに来てください」と念を押される。ざっと計算すると、半月分ほど。

――半月でまた病院か。

退院……というほど大げさじゃないが、病院を出るとき正面から深沢承弦にぶつかった、あの背筋の凍る感覚が蘇る。言葉は思わず、自分の身を案じて手に汗を握った。

そのときはそのときだ。片桐景臣まで巻き込むのは、もう嫌だった。

深沢承弦の反応を見る限り、やっぱりまだ誤解している。

誤解。

彼と自分の間には、いつだって何かしらの誤解が挟まる。

――それはきっと、最初から相性が良くなかったという...

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