第91章

如今、深沢天佑は佐伯家を取り込もうとしている。彼の知る限り、佐伯瞳は深沢承弦にかなり好印象を抱いているらしく、「末永言葉とは正々堂々競う」とまで公言していた。しかも温水真雲とは揉めたこともある。

そんな人間が、どうして本気で「恋のライバル」を助けるというのか。

――そう思っているのに、あの妹だけはやたらと純粋で、わざわざ本人に聞きに行ってしまった。

「……ちゃんと見張っとけよ。俺、佐伯瞳ってそんな単純じゃない気がする。お前と言葉の関係だって、今はもう揺さぶられたら持たないだろ。そこでまた何かあったら、俺は付き合って酒飲んでやらねぇからな」

川島宴久はため息をつき、それ以上は言わなかっ...

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