第92章

温水家の面々は、いままさに会場へ向かう途中だった。車内は――まさに「大騒ぎ」。

「行かない! 今すぐ降ろして! 止めてくれないなら……わ、私、飛び降りる!」

温水真雲は窓のスイッチを何度も乱暴に押した。けれど温水庭三が、ドアも窓もすでにチャイルドロックごと施錠している。

流れていく景色が後ろへ後ろへと退いていくほど、真雲の焦りは濃くなった。

佐伯瞳の歓迎パーティーに、なぜ温水家が呼ばれる?

わざわざ自分を晒し者にするつもり――そうに決まってる。

歓迎パーティーに行けば深沢承弦に会える。けれど……何かするにしたって、佐伯瞳の「ホーム」でやるほど馬鹿じゃない。

――くそっ。

真雲...

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