第99章

川島美結が「デザインの話をしたい」と言うものだから、末永言葉はその夜、もう絵を描き進めなかった。骨組みだけを組み、翌日の打ち合わせに備えて最低限の準備を整えるに留めた。

歓迎パーティーの一件が過ぎてからというもの、彼女は自分と川島美結が、仕事以外で交わることはもうないだろうと思っていた。

翌日。昼食を終えると、末永言葉は約束の場所へ早めに向かった。SHの近くにある、会員制のビジネスカフェだ。

川島美結はまだ来ておらず、言葉は先に静かな席を選んで腰を下ろし、待つことにした。

運がいいのか悪いのか、その席は店内の小さなテレビの真正面だった。

ふだん、こういう店のテレビ番組に目を留める人...

ログインして続きを読む