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里香の視点

「理由は言っていなかった。ただ追加されただけよ」自由は少し言葉を切った。「決める前に、一度目を通しておく?」

念のため、私は答えた。

「送って。確認するわ」

電話を切ると、すぐに電子ファイルが届いた。

ソファに深くもたれかかり、ページをめくっていく。

新たな条件は明確だった。水原グループの株式三パーセントと、O市の中心部にある不動産六件。

ざっと計算しただけでも、総額で二、三百億にはなる。

少し驚いた。

和也が裕福なのは知っている――水原グループの時価総額を考えれば当然だ――だが、二、三百億もの資産をぽんと出せることには、さすがに呆気にとられた。

ファイルを閉...

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