104

第1章

愛実の視点

光吉家の面々が、ぞろぞろと押し寄せてきた。

萌瑛が先頭を歩いている。赤いセットアップスーツに身を包み、髪は一糸乱れずまとめられていた。雅澄と佳波がその後に続き、それぞれずっしりと重そうな贈答用の紙袋を提げている。

私はベッドの背もたれに寄りかかって雑誌をめくっていたが、ドアが開く音に顔を上げた。

一瞬だけ眉をひそめ、すぐに表情を消す。

和也の手前、波風を立てるわけにはいかない。

雑誌を置き、抑揚のない声で言った。

「来たのね。そこへ掛けて」

萌瑛がベッドの脇に腰を下ろし、愛想笑いを浮かべて話しかけてくる。私は適当に相槌を打って聞き流した。十分も経たないう...

ログインして続きを読む