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第1章

梨乃の視点

祖母の顔が微かに強張った。

蓮は誰の返事も待たずに、くるりと背を向けて人だかりの外へと駆け出していた。小さなスーツの裾をパタパタと揺らし、あっという間に人混みを抜け、階段の方へ向かっていく。おそらく、二階へ上がって母親に電話をかけるつもりなのだろう。

私はその場に立ち尽くし、あの小さな背中を見つめながら、何とも言えない複雑な気持ちを抱えていた。

広間の喧騒が再び押し寄せ、まるで何事もなかったかのようだった。

私は視線を戻し、新しく受け取ったシャンパンのグラスを手に取り、ゆっくりと一口飲んだ。

広間の反対側では、由姫が数人の女性たちに囲まれていた。

ピンクの...

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