第13話

里香の視点

研究室で実験データをもう一組処理してから、着替えて車で病院へ向かった。

三階の小児科観察エリア。病室のドアにたどり着く前から、中から蓮の甲高い泣き声と、物が叩きつけられる音が聞こえてきた。

「注射しない! 薬も飲まない! あっち行け!」

「寧々がいい! 寧々を呼んで!」

私は病室の前で足を止めた。

和也に電話で呼び出されたが、本当は来る必要などなかった。だが、ここまで来てしまった以上――。

ドアを押し開ける。

病室の中は惨状だった。

床には壊れたおもちゃや倒れたコップが散乱し、水溜まりがまだ乾いていない。蓮は病衣姿で、顔を真っ赤にして泣きじゃくりながらベッドの上...

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