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里香の視点

翌日、私はいつも通り出勤した。

車を停め、ビルのエントランスに向かう途中、入り口に誰かが立っているのが見えた。

拓海はダークグレーのコートを着て、手に紙袋を提げ、ドアのそばに寄りかかっていた。

私を見ると、彼は目を輝かせ、早足で近づいてきた。

「白石さん」

私は足を止めた。

「こんなところで何をしてるの?」

彼は頭を掻いた。

「ずっと連絡が取れなかったから、ちょっと心配になって。今日、様子を見に来たんです」

私は淡々と返した。

「無事だと分かったなら、もう帰って」

彼が何か言いかけたとき、背後から年老いた声が聞こえた。

「拓海、そんなに急いでどうしたんだ...

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