第15話

里香の視点

午後三時半。幼稚園の降園時間。

私は十分前に到着し、校門の向かいにある一時駐車スペースに車を停めた。

朝、蓮を送った時の不快な出来事は尾を引いていたが、だからといって迎えに来ないという選択肢はない。責任は責任であり、個人の感情とは無関係だ。

車の窓を下ろす。流れ込んできた秋の風が、車内に淀んでいた空気を少しだけ吹き飛ばしてくれた。

校門の前には、すでに保護者たちの輪ができている。お揃いの制服を着た子どもたちが先生に引率されて出てきた。列は少し乱れていて、あちこちから賑やかな声が聞こえる。私は人の波から、見慣れた小さな姿を探した。

すぐに見つかった。

蓮は小さなリュッ...

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