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里香の視点

水原の屋敷に戻ったとき、蓮はすでに眠気で目をこすっていた。シッターに彼を寝かしつけるよう頼み、私は一人でリビングへと向かった。

和也は一人掛けのソファに深く腰を下ろし、手にした本に視線を落としていた。

私はバッグから縁が金箔で彩られた招待状を取り出し、彼の傍らのローテーブルに置いた。

「来月、祖母の八十歳の誕生日なの」

私は言った。

「これ、招待状よ」

彼が顔を上げ、その豪奢な封筒へと視線を移す。

本を置き、招待状を手に取って一瞥した。

「行くよ」

私は少しだけ虚を突かれた。

まさか、これほどあっさりと承諾するとは思わなかったからだ。

これまで、父が毎年使...

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