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柚佳の視点

オークションが終わり、人々が次々と会場を後にする。

私と里香は人の波に乗って外へ出た。里香の視線はまっすぐ前だけを向き、あの方向には一瞥もくれなかった。

「里香、ちょっと待って」

彼女が振り返る。

ちょうどその時、人混みから憲弘が抜け出し、こちらへ歩み寄ってきた。私は彼を知っている――先ほど会場で寧々と競り合っていた、里川家の憲弘だ。

憲弘は数歩手前で立ち止まり、値踏みするような視線を里香へ向けた。

「こちらは?」

彼は私に尋ねる。

「大学の同級生、里香」

私は紹介した。

里香は彼へ向かって軽く頷いた。

「里川さん」

憲弘は眉をひそめ、彼女の冷淡な態度に...

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