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寧々の視点

掌の中で、スマホが微かに震えた。

視線を落として画面を一瞥した瞬間、胸の奥で何かが嫌な音を立てた。

短いメッセージ。治夫が静野邸へ向かったという情報が、すでにこちらの宴会場にも回ってきているらしい。光吉家でグラスを傾けていた客たちがひそひそと囁き合い、その声が切れ切れに耳へ届き始めた。

「治夫教授が? 静野邸の祝いの席に?」

「司もいるのか?」

「白石家にいつからそんなコネができたんだ?」

私はゆっくりとスマホをバッグにしまい、顔を上げて広間をぐるりと見渡した。

少なからぬ視線がこちらへ向けられ、一、二秒留まってはまた逸らされる。彼らは何事もなかったかのような顔で...

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